これ以上関わると恥かくの、俺だな(笑)


「さ、練習練習」

俺は話を逸らすためにそう言って、部室を出た。

もちろん、勇がそれだけで引き下がるわけもなく。

結局朝練中ずっと、勇にみさきのこと迫られました……(泣)



―――

朝練が終わって、遅刻ギリギリに教室に行くと……

……いた。


会いたいけど今一番会いたくない奴。

ていうか、普通に喋れっかな俺。


「あ、今日朝練だったからいなかったんだね!いつもなら通学路で会うのに会わなかったから心配してたんだ!」

あれ?
平常?

こいつ……昨日俺が言ったこと気にしてねぇのか。


「へいへい」


何で俺はこう嫌みっぽい言い方しか出来ねぇんだよ!


「もう……あ!そうだ輝!昨日のこと、ありがと」

「え?」

顔を赤くして下を向いて言うみさき。

んなかわいい顔すんなよ……。

抱きしめたくなるじゃん。

つーか、ドキドキする。


「まさか輝があんなこと思ってくれてたなんて思ってなかったから」

「……」

何でわかんねぇんだよ……。

ま、分かるわけねぇよな……。
普段からあんだけ憎まれ口叩いてんだ。

まさか好きだなんて思うわけねぇ。



「輝?」

「え、あぁ。ま、あれは口から出た出任せだし?(笑)」

はあぁぁぁぁあ!?

何言ってんだよ俺!

あんだけ勇気だして言ったことなのに!

出任せ!?

自分で言った言葉にビックリする。


確かに口から勝手に出た言葉だけど出任せではない。


「はぁ!?ちょっとカッコイイかもって思った私が馬鹿だったわよ!」

「惚れた?(笑)」

そんなこと言って……
「惚れた」って言われたらどうすんだよ。


「惚れてない!」

「ぅ……」

腹に小さな痛み。

みさきの小さな手が俺の腹にクリーンヒットする。


「もうっ!知らないっ!」

「ってぇ……」

みさきが去った後も俺はその場にうずくまっていた。


そんな俺達を見てる奴がいてるとも知らずに……。