スマイル

「ねぇねぇみさきちゃんは料理作らないのー?」

「ぇ……いや……私は……」


料理なんて作ったことない。
むしろ、包丁を握ったこともない。

「やめとけ親父。みさきの料理なんか食ったら一生息出来なくなっちまうぞ」

なっ!
失礼ね!!
さすがに私だって人を殺しちゃうような料理作んないわよ!!


「そんなことないもん!」

「クスッ」

………は?
今笑った?

やっぱこいつ性格悪い!


「俺、みさきちゃんの料理食べたーい」

「でも私、作ったことありませんよ?」

「みさきちゃんの料理最初に食べる人俺が良い!」

「っ……分かりました」

負けましたよ、輝のお父さん。



「……ご馳走さま」

「あれ、輝。もういらないのか?」

輝は突然、食事を終えると席を立った。


「あぁ。宿題、あるの思い出した」

宿題なんてあったっけ?
今は別に長い休みがあるわけでもないし。


「そうか。みさきちゃんの料理、食べなくても良いのか?」

「さっきも言ったろ?こいつの料理食べたら死んじゃうよ(笑)」

ブチッ!

ぜっっっったいこいつに私の料理食べさせない!!!


そう言って、輝は自分の家に帰って行った。


この時の輝の気持ちがとても悲しみがさしていることを知らずに私は必死に料理を作っていた。