「取り合えず、明日で退院だ。今日は大人しくしてな」

「う、うん……」

無愛想に輝は病室を出て行った。


「もう……何で輝君はあんなに無愛想なのかしら」

「いつものことだよ」

それより気になるのは……優人だよ。
優人は……何で私を助けたんだろ。


「みさき、あの子と付き合いなさい」

「へ?」

いきなり命令形で何を言い出すの、お母さん。


「あのイケメン男子と付き合えば貴方もイケメン婦人に返り咲きよ!」


ただお母さんが息子にしたいだけでしょ。

大体イケメン婦人って何?

それに優人は……私のことなんて好きじゃないの。
遊びなんだよ。

だから……。


「みさき?」

「あ、うん。そ、そうだね」


ごめんね、お母さん。

お母さんの願い叶えられそうにないよ。