黄昏に香る音色 2

何年か前、

和也は、親子3人で暮らしていた時代。

父親は小さいながらも、飲食店を営み、何とか、3店舗まで支店を、もつまでになっていた。

ある日。

父親の各店舗の近くに、同じ業種のライバル店ができた。

それこそ、時祭グループの店舗だった。

目的は簡単だった。

和也の父親の店を、潰す為だった。

理由は…。

和也が欲しかったのだ。

時祭には、跡取りがいなかった。

だが…

頭を下げるつもりはなかった。

向こうから、頭を下げるように仕向ける。

父親は頑張り、二年近くは踏ん張った。

お客を取られ、赤字が続いても…。

とうとう、従業員の給料が払えなくなり、

途中、律子がパートにでても、家族が食べれなくなってしまった。

育ち盛りの和也が、お腹をすかしている姿を見、我慢できなくなった律子は、
時祭のもとにいく。

時祭はにやけながら、和也を差し出すことを命じた。

そうすれば、撤退すると。

律子は悩む余裕もなく、頷いた。

家に帰り、父親に説明しょうとして、ドアを開けた目の前で…

父親は首を吊って、自殺していた。