黄昏に香る音色 2

「今日は遅ればせながら、皆さんに紹介しょうと、連れてきております」

時祭会長に促されて、後ろに控えていた少年が、一歩前に出た。

「藤木くん!?」

驚いた里緒菜が、思わず声をだした。

「ああ、そうでしたなあ…お嬢様とは、同じクラスメートですな」

会長の言葉に、

「そうなのか、里緒菜」

父は里緒菜を見た。

和也は、すうっと前にでて、

「挨拶が遅れまして、誠に申し訳ございません」

里緒菜の父に、頭を下げた。

「藤木和也と申します。お嬢様とは、同じ学校に通っております」

いつもとはちがうスーツ姿に、落ち着いた物腰に、

里緒菜は驚いていた。

頭を下げながらも、ちらっと里緒菜を見、和也はウィンクした。