黄昏に香る音色 2

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう!」

教室にいつもの声が、こだまする。

香里奈に、直樹。

里緒菜に、和也。

祥子に、恵美。

いつものメンバー。

「出席をとります」

教壇から、優一が叫んだ。

いつもの1日。

だけど、かけがえのない1日が始まる。

学生時代という…

短い癖に、

永遠に大切な日々。

香里奈は、この日々を大切にしょうと、

改めて思った。

直樹たちが、いなかったら…あたしは、これからの目標もたてられなかった。


音楽をやる。

1人じゃなくて、

直樹と

いや、

みんなに支えられて、

あたしは、歩いているんだ。

まっすぐなこの道を。

そして、初めて、

香里奈はその先にいる…明日香や啓介、

2人のおばあちゃんや、

和美おばさん。

志乃や

里美の背中を

見つけることができる…。

そんな気がしていた。