黄昏に香る音色 2

香里奈は、ライブハウスへの階段を降りていく。

会場から、泣きながら女の子が駆け上がってくる。

落ち込んで、ゆっくりと…沈んだ顔の女の子も、上がってくる。

オーディションを終わった人達だろう。

香里奈は、すれ違う人達の表情に、

身を引き締めた。

深呼吸をすると、

ライブハウスの扉を開いた。

何十人もの人が、フロアにたむろしており、妙な緊張感が漂っていた。

香里奈は、受付に参加票を渡すと、

変わりにリスト表を渡された。

「歌う曲を選んで下さい」

そこには、J-POP、ROCK、R&B、JAZZなどの有名曲が百曲くらい書いてあった。

どうやら、このリストから、自分で選べるらしい。

フロアに、次にオーディションを受ける人の名前が響き渡る。

呼ばれた人は、人混みをかき分けながら、

舞台への扉を開いた。


香里奈は、歌う曲を決め、受付に渡した。

2分もしない内に、さっき入った人が出てきて、

そのまま、外へ出る扉を開いて、帰っていった。

次々に名前が呼ばれ、

次々に帰っていく。

一時間もたたない内に、

香里奈の番が来た。