「どう?ジュリア…」

顔に巻かれた包帯が、ゆっくりと、外されてくる。

すべてが外れた後…

ジュリアはゆっくりと、

目を開けた。

部屋を照らす…

明かりが眩しすぎる。

思わず、

目をつぶるジュリア。

「痛い?」

ジュリアは、首を横に振り、

「大丈夫…お姉様」

ジュリアは、もう一度…目を開けた。

最初は、焦点が合っていなかったが…。

やがて、

視界は鮮明になる。

瞳が、ティアを映した。

「お姉様…綺麗…」

ジュリアは、ティアの顔を見て、思わず…つぶやいた。

「ジュリア!有り難う…あなたも綺麗よ…」

ティアは、ジュリアを抱きしめると、

手鏡を手に取り、

ジュリアの顔を映した。

「これが…あたし…」

黒い大きな瞳。

それが、最初の印象だった。

この瞳は、提供者のものだった。

「立ってごらんなさい」

体も軽かった。

部屋を歩いてみる。

椅子などを、自分で避けることができる。

ある程度、歩くと、

ジュリアは、胸を押さえた。

心臓も、

もらった。

ジュリアは、生まれ変わったのだ。