ティアは、倒れたマルコにすがりついた。

後ろから、撃たれて…

即死だった。

マルコを撃った男は、

ティアに銃口を向け、

「使用後か…」

鼻を鳴らし、ティアの様子を見、

「つまらんな…」

男は銃口を下げた。


男の耳から、

シャカシャカと、男がもれる音がした。

男は、ウォークマンを聴いていた。

ティアの唖然をする顔に、

「これ?」

ウォークマンを指差し、

「さっき、殺したやつから、拝借した」

男はウォークマンを外し、

ティアに投げた。

「お前ら…向こうの音楽が好きだったな…」

ウォークマンが、ティアに当たる。

「音楽に、癒やしてもらいな」

男はそう言うと、

大爆笑した。

「ハハハハ…!」

唾を、ティアに向けて吐きかけると、

「帰るぞ…。ほとんど殺したしな」

ジュリアに群がっていた男たちも、

欠伸をしながら、

引き上げていく。




残されたティアは、マルコを抱きしめながら、

周りの惨劇を見、

泣き崩れた。