香里奈は、いつのまにか…

寝てしまったらしい。


玄関のベルが、鳴った。

香里奈は、目を覚ました。

鳴ったか…どうかも、わからない。

けど、きこえた気がした。

部屋の中で、キョロキョロしていると…また鳴った。

香里奈は起き上がると、部屋を出て、階段を下りた。

「どちらさまで…」

ドアチェーンをかけたまま、少し開けた。

「速水さん…夜分遅く、ごめん」

ドアを開けた隙間から、
外の様子を見た香里奈の目に、

笑顔の男の子が、飛び込んできた。