黄昏に香る音色 2

昼間の会見だった為、

当然、香里奈は見ていなかった。

しかし、

どこからか、情報は回る。

携帯電話からだろうか。

二限目の授業を終えた香里奈のもとに、

その内容は伝わった。

「速水さん!あなた…志乃ちゃんのかわりをするの?」

あんまり面識のない、他のクラスの女の子が、教室に飛び込んできた。

香里奈は首を傾げた。

「何のこと?」

「え?…さっきテレビで…」

香里奈の反応の悪さに、女生徒はたじろぐ。

「どういうこと?」

逆に、女生徒に香里奈はきいた。


女生徒の話をきいて…驚いたが、

納得した。

動きだしたのだ。

父が。

あたしを呼んでいる。

事態は飲み込めたが…まさか、テレビで言うとは。

香里奈は…次に、どうしたらよいのか、わからなかった。