黄昏に香る音色 2

「そうだ!速水さんがいますね」

記者の言葉に、大輔は激しく反応し、

音をたてて、席を立った。

「速水明日香以上ですよ。彼女の娘は…」

「速水さんの娘!」

一斉に声が上がる。

「そう!我々の新しいボーカルは、速水香里奈だ!」

それは、誰も予想にしていない名前だった。


勿論、本人も。

大輔の会見を、近くで眺めていたティアは、

ニヤッと笑った。

「これで逃げれない…わね?」

ティアは、そばに立つKKの方を見た。

KKに返事はない。

「あなたの音に耐えれるのは…あなたと同じ血をもつ者だけ」

ティアは、KKにそっと寄りかかり、

「これで…最終段階に入る」


KKは、そんなティアを無視するかのように、ティアから身を離すと、

その場から、歩きだした。

「KK!」

ティアは、後を追いかけるしかできなかった。