黄昏に香る音色 2

学校から帰ると、

ダブルケイに、久々の音が戻っていた。

明日香がいるということで、阿部たちだけでなく、昔の音楽仲間が集まっていた。

久々に里美がドラムを叩き、明日香がトランペットを吹き、知らない女の人が、歌っていた。

ギターは

何とゆうだ。

「先生!?」

香里奈は驚いていた。

さっき、学校で会ったのに…。

演奏が終わり、ゆうが香里奈に気づいた。

「速水。遅いなー!さては、寄り道でもしてたか?」

確かに、恵美と祥子とたこ焼きを食べにいったけど。

里緒菜と直樹は、部活だった。

一昨日のことがあったから、直樹は送ろうとしてくれたが、

香里奈は断った。

明日香の、もう襲わない…大丈夫という言葉と、

格闘技をやってる恵美が、いてくれたから…。

というよりも、

多分

自分から、近々行くことになる予感がしてたから。

恐くはなかった。



「香里奈ちゃん。大きくなったわね」

ステージで歌っていた女が、満面の笑顔で近づいてきた。

香里奈は、首を傾げる。


「あっ!覚えてないか…俺の妻だ」

ゆうは、香里奈の様子に気付き、説明した。