直樹は一瞬…驚いたが、
すぐに、真剣な表情になった。
きちんと姿勢を正すと、直樹は深々と頭を下げた。
「ごめんなさい。俺は…」
直樹の言葉を、里緒菜は止めた。
「わかってるから!いいの…」
「如月さん…」
「逆に…その答えじゃなかったら、怒ってた」
里緒菜は、くるっと一回転すると、
また直樹に背を向けて、歩き出した。
顔を、見せる訳にはいかなかった。
涙が溢れていた。
見せる訳にはいかない。
「今度の劇…がんばろうね」
「うん」
直樹は頷く。
「でも…台本変えたの?」
「変えてないわ。最初のままよ」
そう。
かなわなくても、
最初の気持ちは、変わらない。
「こんな遅くに呼び出して、ごめん」
里緒菜は、振り返った。
直樹と少し離れたから。
暗がりとこの距離。
顔がよく見えないはずだ。
「こんなところで悪いんだけど…お別れしましょう」
もう限界だった。
「また明日…学校で。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
里緒菜は手を振ると、走り出した。
涙がまた…止まらなくなっていた。
涙を見せたくなかった。
直樹に、変な心配をさせたくなかった。
すぐに、真剣な表情になった。
きちんと姿勢を正すと、直樹は深々と頭を下げた。
「ごめんなさい。俺は…」
直樹の言葉を、里緒菜は止めた。
「わかってるから!いいの…」
「如月さん…」
「逆に…その答えじゃなかったら、怒ってた」
里緒菜は、くるっと一回転すると、
また直樹に背を向けて、歩き出した。
顔を、見せる訳にはいかなかった。
涙が溢れていた。
見せる訳にはいかない。
「今度の劇…がんばろうね」
「うん」
直樹は頷く。
「でも…台本変えたの?」
「変えてないわ。最初のままよ」
そう。
かなわなくても、
最初の気持ちは、変わらない。
「こんな遅くに呼び出して、ごめん」
里緒菜は、振り返った。
直樹と少し離れたから。
暗がりとこの距離。
顔がよく見えないはずだ。
「こんなところで悪いんだけど…お別れしましょう」
もう限界だった。
「また明日…学校で。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
里緒菜は手を振ると、走り出した。
涙がまた…止まらなくなっていた。
涙を見せたくなかった。
直樹に、変な心配をさせたくなかった。


