湯船に、半身を沈めながら、

里緒菜は、美奈子の言葉を繰り返していた。

(お前の気持ちだろ!)

お前の気持ち…。




あたしの気持ち。

深い湯船に、全身をつけた。

里緒菜は、目を閉じた。



しばらくして、里緒菜は立ち上がると、風呂場を出た。

バスタオルで体をふき、パジャマに着替えると、

急いで、自分の部屋に戻った。

同じ部員だから、連絡先は知っていた。

携帯をかける。

9時前。

バイトは、終わってるはずだ。

しばらくコールが続く。

里緒菜は、唾を飲み込んだ。

でてほしい…。

今、でてくれないと…。

次は、かけれないかもしれないから。




留守番に変わった。

里緒菜はそのまま、ベットに倒れ込んだ。

緊張が抜けた。

どうしょう…。

と、

悩んでいたら、携帯が鳴った。

慌てて、里緒菜は携帯を取る。

着信を確認して、

「もしもし…ナオくん…。遅くに、ごめんなさい」

里緒菜は一呼吸おくと、

「あなたに話があるの…今から会えない?」

里緒菜は、直樹の返事をきくと、

出かける準備をした。