その瞬間、雄大の言葉を思い出した。 “出るんだとよ……幽霊が、俺らの学校に” ……まさか。そんなはずは……ない。うん。ないはず。 私は、その男子生徒とばっちりと合った目を逸らし、 自分の席に着いた。 顔を伏せ、自分に言い聞かせる。 今のは、気のせい。そう、気のせい。 そう!幻覚だよ、幻覚。 落ち着け香澄、今のは幻覚だ。 周りの情報を全てシャットダウンし、自分の心を落ち着かせた。