────ガラッ


そのとき、ドアが開いた。



ああ、そうだ。

そろそろみんなが登校してくる時間だ……



あーあ。

まだまだナオに聞きたいこととか、話したいこととか、たくさんあったのになあ。


人がいたら、話せないや。




『ねえ、香澄?』


「……」


『香澄ってば!」


「……」


『もー、無視すんなよー……』




……なんか、可愛い。


私が返事をしなかったら、眉間をよせて悲しそうな顔をする。



「……ふふっ」


『あ!やっぱり聞こえてるんじゃん!あー、びっくりしたあ。僕の姿が見えなくなったんじゃないかと思ったよ』



……悲しい顔から一変。

眩しいほどの笑顔に変わった。


なーんか、表情がくるくる変わって、すっごい可愛い。

いや、一応男の子なわけだから、可愛いはおかしいのかもしれないけど……


でもやっぱり可愛い……!