プロローグ

「俺がお前を守る」
そう言ったのは本心ですか…それとも…


「美咲ー!早く先生のとこ周っちゃお!」
日が沈む寸前の薄暗い校舎で親友の奈緒が私を呼ぶ。
高2年、6月。
やっと高校生と実感がわき高校生活2回目の学園祭が2日後に迫っている。
「まだこんなに先生のとこ行かないといけない。部活行ってる暇ないよ…。」
私と奈緒は学祭実行委員会。その仕事で今先生たちに『好きな漢字』を書いてもらっている。
「やっとおわったよ。あとは明日やるクラス企画の準備だけだね美咲!」
「うん!もうすぐ学祭かー。」
「美咲は学祭拓巳先輩とまわるの?」
私には1つ上の彼氏がいる。去年の8月から好きで何回も何回もアッタクしてやっと12月に付き合えてもらえた人だ。
「うん!多分そうなるかな…。」
ほんとは親友とまわりたい気持ちもあったが…そうできない理由もあった。

「美咲ー!!終わったか??俺部活終わったぞ!!」
ちょうど奈緒と帰ろうとしたとき後ろから拓巳先輩の声がした。
「うん!もう部活終わったの??早くない?まだ6時なのに…!」
「美咲が帰る頃だと思って早く上がってきちゃった。もしかしたら違う男と帰るかもしんねぇから心配で。」
そう、、私の彼氏は超がつくほどの束縛男なのだ。
「美咲相変わらず愛されてるね♡っじゃうち先帰るね!また明日!」
奈緒は呆れたような口調で先に帰ってしまった。奈緒に悪いことしたなー。明日ちゃんと謝らないと。