エスカレーターで上がると、一階とは雰囲気ががらっと変わって、部屋ごとの家具がエリアを区切ってディスプレイされていた。
例えばリビングやベッドルーム、それぞれの部屋でテーマに合ったデザインでまとめられている。その洗礼されたセンスに、敬服してしまう。
「素敵ね、とっても」
ダイニングのディスプレイ、大きなテーブルにはお洒落なカップとソーサが並べられている。オレンジ色の照明が本当に家の中にいるような落ち着きを与えてくれていて、そこに肘をついて座って呟く。
ここで食事したり、勉強の合間の休憩にお茶を飲んだり。そして、そこには彼も居て…なんて妄想にふける私に彼の冷たい「行くぞ」の声。
遠ざかる彼の背中に妄想はかき消された。
「はぁあ、ちょっとは私に合わそうっていう気はないのかしら」
名残惜しく椅子から立ち上がってレイを追いかける。
彼が立ち止まった所でやっと追い付いて、見るとリビングのディスプレイだ。
モノトーンでまとまったそれは、確かにレイの好みそうなスタイリッシュなデザイン。彼はその中のソファーに腰掛けた。
「それが気に入ったの?」
尋ねても彼は考え込んで無言のままだ。そして、ちらとこっちを見て首を横に振った。
真剣な顔も素敵、と見惚れていると彼は立ち上がって、またスタスタと歩いていく。私もそれに続く。
近くにいたカップルが二人してキャッキャッと楽しそうにはしゃいでいる横を通りすぎて、羨ましいと思うけど、レイが私とはしゃぐ姿なんて想像すらできなかった。
例えばリビングやベッドルーム、それぞれの部屋でテーマに合ったデザインでまとめられている。その洗礼されたセンスに、敬服してしまう。
「素敵ね、とっても」
ダイニングのディスプレイ、大きなテーブルにはお洒落なカップとソーサが並べられている。オレンジ色の照明が本当に家の中にいるような落ち着きを与えてくれていて、そこに肘をついて座って呟く。
ここで食事したり、勉強の合間の休憩にお茶を飲んだり。そして、そこには彼も居て…なんて妄想にふける私に彼の冷たい「行くぞ」の声。
遠ざかる彼の背中に妄想はかき消された。
「はぁあ、ちょっとは私に合わそうっていう気はないのかしら」
名残惜しく椅子から立ち上がってレイを追いかける。
彼が立ち止まった所でやっと追い付いて、見るとリビングのディスプレイだ。
モノトーンでまとまったそれは、確かにレイの好みそうなスタイリッシュなデザイン。彼はその中のソファーに腰掛けた。
「それが気に入ったの?」
尋ねても彼は考え込んで無言のままだ。そして、ちらとこっちを見て首を横に振った。
真剣な顔も素敵、と見惚れていると彼は立ち上がって、またスタスタと歩いていく。私もそれに続く。
近くにいたカップルが二人してキャッキャッと楽しそうにはしゃいでいる横を通りすぎて、羨ましいと思うけど、レイが私とはしゃぐ姿なんて想像すらできなかった。



