レイの顔を見れずに俯く私。彼の手を握り締めたら、それに答えるように彼も返してくれた。
「また、私なんか…か?」
「そんなんじゃ…ない、けど」
もごもごと喋っていると、不意に笑い声が上から降ってきた。と、思ったら…。
「プリンセス?あなたは誰よりも美しい」
急に芝居がかった台詞を口にするレイは屈んで目を合わせると、憎たらしいほど優雅に微笑んだ。ドキドキする私は顔を赤くして瞬きを繰り返す。
「襲いたくなるくらい」
その微笑みからは想像できないほど低くて、でも色っぽい声で囁くものだから、心臓が飛び上がったんじゃないかと思うほどドキッとして、頭がくらくらして…とにかく私は彼から逃げなければ息が出来そうにない。
「な、なんで、あんなこと…平気で…信じられない…っ!」
繋いでいた手を離そうとしても離れなかったので諦め、私は彼を無理矢理退けて前へ進む。後ろからついてくる彼の不愉快な笑いを聞かないように努めながら。
確かに彼は、見た目は素晴らしいと認めざるおえないだろうけど、中身はただの変態だわ!
わりと真剣に悩んでいた私は何だったのかしら。馬鹿らしくって呆れちゃう。
「セシーリアは、ほんと弄りがいがあるな」
「あなたみたいな不誠実な人は初めて。ちょっと悩んだ私が愚かだった」
渾身の嫌味を投げ掛けたのに、彼はちっとも平気そうな顔で、むしろ嬉しそうだ。…気にくわない。
「そんなもんだ、俺はただ泣き虫で素直じゃないプリンセスに惚れてる男なだけだ」
「また、私なんか…か?」
「そんなんじゃ…ない、けど」
もごもごと喋っていると、不意に笑い声が上から降ってきた。と、思ったら…。
「プリンセス?あなたは誰よりも美しい」
急に芝居がかった台詞を口にするレイは屈んで目を合わせると、憎たらしいほど優雅に微笑んだ。ドキドキする私は顔を赤くして瞬きを繰り返す。
「襲いたくなるくらい」
その微笑みからは想像できないほど低くて、でも色っぽい声で囁くものだから、心臓が飛び上がったんじゃないかと思うほどドキッとして、頭がくらくらして…とにかく私は彼から逃げなければ息が出来そうにない。
「な、なんで、あんなこと…平気で…信じられない…っ!」
繋いでいた手を離そうとしても離れなかったので諦め、私は彼を無理矢理退けて前へ進む。後ろからついてくる彼の不愉快な笑いを聞かないように努めながら。
確かに彼は、見た目は素晴らしいと認めざるおえないだろうけど、中身はただの変態だわ!
わりと真剣に悩んでいた私は何だったのかしら。馬鹿らしくって呆れちゃう。
「セシーリアは、ほんと弄りがいがあるな」
「あなたみたいな不誠実な人は初めて。ちょっと悩んだ私が愚かだった」
渾身の嫌味を投げ掛けたのに、彼はちっとも平気そうな顔で、むしろ嬉しそうだ。…気にくわない。
「そんなもんだ、俺はただ泣き虫で素直じゃないプリンセスに惚れてる男なだけだ」



