なら…と近づいてくるレイに、ドキドキとうるさい胸。私は顔を背けて、繋いだ手を無理矢理引っ張った。
「あぁ、お腹空いた!早く行きましょ」
怒った風に言って扉を開ける。後ろから「はいはい」だなんて呆れたような彼のため息が聞こえたが知らんぷりした。
店に入ると、外よりも一層美味しそうな匂いが私の鼻を通って空っぽのお腹を刺激する。
中は赤いレンガの壁に並ぶユニークなポスター、少し暗くて赤い照明がロマンチックで、キラキラ輝くショーケースの中には色とりどりのケーキがずらりと並ぶ。一瞬にして虜にされた私の前にウエイトレスのお姉さんがやって来た。
「いらっしゃい、レイ!…それと、まさかレイのガールフレンド?」
レイはここの常連らしく、他のウエイトレスさんからも笑顔を向けられている。しかし、本人は無愛想な表情で無言のまま。私の手を今度は彼が引っ張って、席へと向かう。
面白そうに肩をすくめるウエイトレスのお姉さんに、私はお辞儀だけして彼の後を歩いた。好奇心いっぱいの笑顔でウィンクを返された。
「ここにはよく来るの?」
お客さんで賑わう店内の一番奥の席、なぜかそこだけ空いていて、私たちはそこに座った。メニューを開きながら尋ねた私は、内心緊張していた。
彼にプライベートの話を聞くのは、なんだか勇気がいる。レイは自分の話をするのが嫌いみたいだから。それに、また関係ないと言われそうだからだ。
「あぁ、ここのオーナーと親父が同級生で仲が良かったから」
ぱっと顔を上げてレイを見る。彼と目が合って、ずっと私の方を見ていたことに気づく。
「あぁ、お腹空いた!早く行きましょ」
怒った風に言って扉を開ける。後ろから「はいはい」だなんて呆れたような彼のため息が聞こえたが知らんぷりした。
店に入ると、外よりも一層美味しそうな匂いが私の鼻を通って空っぽのお腹を刺激する。
中は赤いレンガの壁に並ぶユニークなポスター、少し暗くて赤い照明がロマンチックで、キラキラ輝くショーケースの中には色とりどりのケーキがずらりと並ぶ。一瞬にして虜にされた私の前にウエイトレスのお姉さんがやって来た。
「いらっしゃい、レイ!…それと、まさかレイのガールフレンド?」
レイはここの常連らしく、他のウエイトレスさんからも笑顔を向けられている。しかし、本人は無愛想な表情で無言のまま。私の手を今度は彼が引っ張って、席へと向かう。
面白そうに肩をすくめるウエイトレスのお姉さんに、私はお辞儀だけして彼の後を歩いた。好奇心いっぱいの笑顔でウィンクを返された。
「ここにはよく来るの?」
お客さんで賑わう店内の一番奥の席、なぜかそこだけ空いていて、私たちはそこに座った。メニューを開きながら尋ねた私は、内心緊張していた。
彼にプライベートの話を聞くのは、なんだか勇気がいる。レイは自分の話をするのが嫌いみたいだから。それに、また関係ないと言われそうだからだ。
「あぁ、ここのオーナーと親父が同級生で仲が良かったから」
ぱっと顔を上げてレイを見る。彼と目が合って、ずっと私の方を見ていたことに気づく。



