路肩に車が止まって、外に出る。その温度差に身震いしてる間に彼はすたすたと目当てらしい店の階段を上って入っていく。
そこは有名な映画のロケ地になったことがあり観光客も多く訪れるカフェで、入ったことはないけれど私でも知っていた。
ゆらゆらと揺れるレトロな店のポスター、全面ガラス窓、香ばしい匂いと甘い匂いと…入り口で振り返って私を待つ不機嫌な、それでもどきりと胸の鼓動が速まるぐらい素敵なグレーの瞳で私を見つめるレイ。
「立ち尽くしてないで、ほら」
せっかちなレイは階段を降りてきて私の腕を取ると、再び店へ。
「もうお腹が空いて仕方ない」
そう言ったレイに答えるように、私のお腹もぐぅと短く鳴る。慌ててお腹を押さえた私。レイは前を向いたまま笑うのを堪えている…けど、明らかに肩が震えていた。
「レイ、わ、笑わないでよ、もう…!」
「悪い、悪い。腹ぺこプリンセス?」
絶対悪いと思ってない!…そう文句を言うつもりだった私の手を、立ち止まったレイが指を絡ませて握り直す。突然すぎて黙ってしまうと、彼は片方の眉を上げて「ん?」と悪戯な笑み。
「…手を繋いだだけで顔を真っ赤にされると、その先もしたくなるな」
うまく言葉を出せなくて、口をパクパク…。頬がますます熱くなるのが自分でも分かって恥ずかしい。
「それは今すぐしたいって意味か?」
そこは有名な映画のロケ地になったことがあり観光客も多く訪れるカフェで、入ったことはないけれど私でも知っていた。
ゆらゆらと揺れるレトロな店のポスター、全面ガラス窓、香ばしい匂いと甘い匂いと…入り口で振り返って私を待つ不機嫌な、それでもどきりと胸の鼓動が速まるぐらい素敵なグレーの瞳で私を見つめるレイ。
「立ち尽くしてないで、ほら」
せっかちなレイは階段を降りてきて私の腕を取ると、再び店へ。
「もうお腹が空いて仕方ない」
そう言ったレイに答えるように、私のお腹もぐぅと短く鳴る。慌ててお腹を押さえた私。レイは前を向いたまま笑うのを堪えている…けど、明らかに肩が震えていた。
「レイ、わ、笑わないでよ、もう…!」
「悪い、悪い。腹ぺこプリンセス?」
絶対悪いと思ってない!…そう文句を言うつもりだった私の手を、立ち止まったレイが指を絡ませて握り直す。突然すぎて黙ってしまうと、彼は片方の眉を上げて「ん?」と悪戯な笑み。
「…手を繋いだだけで顔を真っ赤にされると、その先もしたくなるな」
うまく言葉を出せなくて、口をパクパク…。頬がますます熱くなるのが自分でも分かって恥ずかしい。
「それは今すぐしたいって意味か?」



