ストーブのおかげで体が温まり、ココアを飲もうとキッチンに立つと、ちょうどレイが浴室から戻ってきた。
「なっ、なんで裸…!」
思わずココアが入った缶を落としそうになった。レイは腰にタオルを巻いただけの姿で、私は急いで彼から背を向けなければならなかった。
「まだそんなこと言ってるのか?いい加減そのバージンぶるのをやめろよ」
「うるさいわね、私はまだバージンよ!」
「じゃあ、俺が今日奪ってやろうか?」
そう言った彼がこっちに近づいてくる足音が聞こえ、私は背を向けたまま手を後ろに出して「ストップ!」と叫んだ。…足音が止んだので、彼は言う通りに止まったのだろう。
私にだってプライドはある。隠し事をしたままの彼に私だけ全てをさらし出すなんて不公平だ。
「今日は一緒に寝ない、分かった?」
「…さっきのことで機嫌を損ねたのか。子供みたいに駄々をこねたって意味なんてないぞ。誰だって話したくないことはある」
「関係ないわ。それに機嫌を損ねたのはあなたの方でしょ。私は別に何とも思ってないもの」
これぐらいの嘘は許される、はず。確かに答えてくれなかったのはちょっとだけ悲しかったけど、それだけじゃない。私たちはお互いの存在を前から知っていたとしても、実際に話して、名前や連絡先を知ったのはつい最近。よく考えれば、そういう関係になるのは早すぎる。
それに、トムとの関係もちゃんとしてからじゃないと…。
「なっ、なんで裸…!」
思わずココアが入った缶を落としそうになった。レイは腰にタオルを巻いただけの姿で、私は急いで彼から背を向けなければならなかった。
「まだそんなこと言ってるのか?いい加減そのバージンぶるのをやめろよ」
「うるさいわね、私はまだバージンよ!」
「じゃあ、俺が今日奪ってやろうか?」
そう言った彼がこっちに近づいてくる足音が聞こえ、私は背を向けたまま手を後ろに出して「ストップ!」と叫んだ。…足音が止んだので、彼は言う通りに止まったのだろう。
私にだってプライドはある。隠し事をしたままの彼に私だけ全てをさらし出すなんて不公平だ。
「今日は一緒に寝ない、分かった?」
「…さっきのことで機嫌を損ねたのか。子供みたいに駄々をこねたって意味なんてないぞ。誰だって話したくないことはある」
「関係ないわ。それに機嫌を損ねたのはあなたの方でしょ。私は別に何とも思ってないもの」
これぐらいの嘘は許される、はず。確かに答えてくれなかったのはちょっとだけ悲しかったけど、それだけじゃない。私たちはお互いの存在を前から知っていたとしても、実際に話して、名前や連絡先を知ったのはつい最近。よく考えれば、そういう関係になるのは早すぎる。
それに、トムとの関係もちゃんとしてからじゃないと…。



