Caught by …

 床に脱ぎっぱなしの服を拾い上げて簡単に畳む。ベッドの端に置く私はなんてお人好しなんだろうと、またため息。

 彼の方へ目を向ければ、体を折り曲げて横向けに寝ていた。モデルのように身長が高くて足の長い彼には、ベッドが小さいのだろうな。…私には大きいくらいなのに。

 あんまりジロジロ見ていて起きるといけないと思い、パジャマと下着をクローゼットから取り出して風呂場へと向かった。

 考えていた予定が大分崩されたけど、とにかくシャワーを浴びたい。よく知らない自由な男が自分のベッドを占領している事は気がかりだが、突然起き出して善からぬことはしないだろうと思う。

 脱衣場はひんやりしていて、少し急いで服を脱ぎ浴室へ入る。熱いシャワーを頭から被ると肩の力が抜けてほっとする。…1日の中で最もリラックスできる瞬間だ。

 でも、あんまり悠長にしていると冷たい水しか出てこなくなるので体と髪を洗うのをさっさと済ましてしまう。

 名残惜しくなりながらシャワーを止めて、脱衣場の引き出しからバスタオルを取り出して体を拭き、浴室の中で下着を着ける。それから浴室を出てパジャマに着替え、髪の毛を乾かす。

 ドライヤーの音で彼が起きたらどうしよう、なんて思ったものの、胸下まである髪はドライヤーの風じゃないと乾いてくれないので強さを弱にしてできるだけ早く乾かすことにした。