何をしに行くんだろうと後ろ姿を追って行けば、彼が突然着ていた黒いセーターを脱ぎ始めた。私が短く悲鳴を上げて背を向けると、不愉快な笑い声が聞こえた。
「言動すべてがバージンだな、もはや絶滅危惧並みの」
頭に血がのぼってまた彼へ向き直る。…彼の引き締まった裸体に、頬はもう熱々に焼き上がってしまう。
「あ、あなた…人を馬鹿にするのもいい加減にして!あ、あと…どどうして服を……っ」
見てはいけないと思いながら、どうしても目が離せない。
彫刻のように整ったその身体。特に目を惹き付けたのは左鎖骨下にあるタトゥー。どんな意味があるのか知らないけれど、翼をもった天使が横たわっているデザインだった。
「もう今日は疲れたから寝るんだ。ベッドに寝るのにセーターもジーンズもいらないだろ」
そう言って、革靴を脱いでジーンズに手をかける彼にまたも後ろを向くしかない。間もなくして、ジーンズが床に落ちる音がして、それだけに私の心臓は飛び上がる。
ほんと何なのだろう?自由過ぎてついていけないわ。
ベッドが軋む音がしたと思えば、布擦れの音。肩越しに後ろを伺えば、布団を口元までかけた彼の姿。白い髪の毛は枕の上で無造作に散らばり、グレーの目がこちらを見ていた。
「電気を消してくれ」
…その図々しさはどうやったら身に付くんだろう。
私は怒りよりも、もはや呆れとため息しか出てこないので彼の言う通り電気のスイッチを消してあげた。
「言動すべてがバージンだな、もはや絶滅危惧並みの」
頭に血がのぼってまた彼へ向き直る。…彼の引き締まった裸体に、頬はもう熱々に焼き上がってしまう。
「あ、あなた…人を馬鹿にするのもいい加減にして!あ、あと…どどうして服を……っ」
見てはいけないと思いながら、どうしても目が離せない。
彫刻のように整ったその身体。特に目を惹き付けたのは左鎖骨下にあるタトゥー。どんな意味があるのか知らないけれど、翼をもった天使が横たわっているデザインだった。
「もう今日は疲れたから寝るんだ。ベッドに寝るのにセーターもジーンズもいらないだろ」
そう言って、革靴を脱いでジーンズに手をかける彼にまたも後ろを向くしかない。間もなくして、ジーンズが床に落ちる音がして、それだけに私の心臓は飛び上がる。
ほんと何なのだろう?自由過ぎてついていけないわ。
ベッドが軋む音がしたと思えば、布擦れの音。肩越しに後ろを伺えば、布団を口元までかけた彼の姿。白い髪の毛は枕の上で無造作に散らばり、グレーの目がこちらを見ていた。
「電気を消してくれ」
…その図々しさはどうやったら身に付くんだろう。
私は怒りよりも、もはや呆れとため息しか出てこないので彼の言う通り電気のスイッチを消してあげた。



