どんな顔をすればいいか分からない私は、彼の方を向けずにただキスされた腕を反対の手で押さえて俯いた。
触れる腕は灼きついたように彼の唇と舌の感触が残っていて、全身が熱って溶けてしまいそうだ。
「消えただろ?」
彼の静かな声におそるおそる顔を上げる。
「その腕は俺がキスをして、しゃぶってやった。なかなか気持ちよかっただろ?」
平然と慎みのない言葉を言う彼に「そんな訳…!」と反論しようとして、だけど下唇を舐める彼の妖艶な視線に口を開けなくなる。
「そんな訳…ないよな?息遣いも荒くなってたし、なにより今だって顔が真っ赤だ。…だが、まだ理性はなくしてないんだな。ボーイフレンドの顔でも浮かんだか」
私の全部を見透かされたみたいで、私は子供みたくそっぽを向いた。
「その様子だと当たっているのか。…じゃあ、今度はボーイフレンドを思い出せないくらい、激しいことをしてみる?」
「い、いやよ!やっぱり、あなたなんか部屋にいれるんじゃなかった!お金を渡すからどこか別の所に行って‼」
「おいおい、そうカッカするなよ、ちょっとからかったくらいで。可愛い顔が台無しだ」
いつになく口調がくだけて乱暴になることに自分でも驚いたが、彼がえくぼをつくって私を可愛いだなんて言うことにはもっと驚いた。
再び黙ってしまう私に、彼のえくぼもすぐに消えた。しかし怒っているわけでもないらしく、欠伸をしたかと思うと彼はベッドの方へと歩いていった。
触れる腕は灼きついたように彼の唇と舌の感触が残っていて、全身が熱って溶けてしまいそうだ。
「消えただろ?」
彼の静かな声におそるおそる顔を上げる。
「その腕は俺がキスをして、しゃぶってやった。なかなか気持ちよかっただろ?」
平然と慎みのない言葉を言う彼に「そんな訳…!」と反論しようとして、だけど下唇を舐める彼の妖艶な視線に口を開けなくなる。
「そんな訳…ないよな?息遣いも荒くなってたし、なにより今だって顔が真っ赤だ。…だが、まだ理性はなくしてないんだな。ボーイフレンドの顔でも浮かんだか」
私の全部を見透かされたみたいで、私は子供みたくそっぽを向いた。
「その様子だと当たっているのか。…じゃあ、今度はボーイフレンドを思い出せないくらい、激しいことをしてみる?」
「い、いやよ!やっぱり、あなたなんか部屋にいれるんじゃなかった!お金を渡すからどこか別の所に行って‼」
「おいおい、そうカッカするなよ、ちょっとからかったくらいで。可愛い顔が台無しだ」
いつになく口調がくだけて乱暴になることに自分でも驚いたが、彼がえくぼをつくって私を可愛いだなんて言うことにはもっと驚いた。
再び黙ってしまう私に、彼のえくぼもすぐに消えた。しかし怒っているわけでもないらしく、欠伸をしたかと思うと彼はベッドの方へと歩いていった。



