そもそも、どうして彼はトムを知っているの?知り合い…なの?
そうして黙ったままでいると質問の答えを肯定と捉えたのか満足そうに彼は私の上から退いて、一度ベッドから離れた。どこに行くのだろうと私も上体を起こして彼の姿を探していたが、不意に明るくなった部屋に目を細める。
彼が電気のスイッチを着けたようだ。暫くして、目が明るさに慣れると彼がまたこちらに歩いてくるのが見え、そして私の隣に腰をかけた。
肩が少し触れるぐらいの距離に緊張しているのは私だけで、彼の方はなんとも思っていない様子。それが無性に悔しいので、一人分ほどのスペースをつくるように座り直した。
彼が苦笑しているような気配を感じたが、私は彼を視界に入れないように気を付けながら問いかける。
「ど、どうしてトムを知っているの?」
「…言っただろ?俺は全部知ってるんだよ」
笑いを堪えている声の彼を思いきり睨むと、わざとらしく肩をすくませて、ため息を吐かれた。
「あんたが言ったんだよ。トム、助けてー…って」
そういえば、確かに呼んだ気がする。
いや、それにしても私に似せようとして声を高くさせる彼のあまりにひどい声に、吹き出しそうになる。
「笑うなよ。言っとくが本当にこんな感じだったんだ。トム、トムー…!」
「ひ、ひどい!ぜったい違う‼」
そうして黙ったままでいると質問の答えを肯定と捉えたのか満足そうに彼は私の上から退いて、一度ベッドから離れた。どこに行くのだろうと私も上体を起こして彼の姿を探していたが、不意に明るくなった部屋に目を細める。
彼が電気のスイッチを着けたようだ。暫くして、目が明るさに慣れると彼がまたこちらに歩いてくるのが見え、そして私の隣に腰をかけた。
肩が少し触れるぐらいの距離に緊張しているのは私だけで、彼の方はなんとも思っていない様子。それが無性に悔しいので、一人分ほどのスペースをつくるように座り直した。
彼が苦笑しているような気配を感じたが、私は彼を視界に入れないように気を付けながら問いかける。
「ど、どうしてトムを知っているの?」
「…言っただろ?俺は全部知ってるんだよ」
笑いを堪えている声の彼を思いきり睨むと、わざとらしく肩をすくませて、ため息を吐かれた。
「あんたが言ったんだよ。トム、助けてー…って」
そういえば、確かに呼んだ気がする。
いや、それにしても私に似せようとして声を高くさせる彼のあまりにひどい声に、吹き出しそうになる。
「笑うなよ。言っとくが本当にこんな感じだったんだ。トム、トムー…!」
「ひ、ひどい!ぜったい違う‼」



