バーから外に出るための階段を上って、そのまま外へと出た。そこにもソファーやテーブルが並んでいて、それほど広くはないが数人がお酒を片手に談笑していた。
周りをガラスの壁で囲まれている以外は何も遮るものがなく、周辺の景色が一望できるようになっていた。私は吸い込まれるように壁へと近づいて、そこから見える夜景に釘付けになった。
無数の光がどこまでも続いていて、地上では決して見られない、感じられない摩天楼の夜景。
慣れたつもりでいた街の、知らなかった姿を目の当たりにして、私は何も言えずにじっとそれらを眺めていた。
「ここはそれほど高くないし、大きなビルも周りにあるけど、私はここからの景色が好きなの。見下ろしても、見上げても綺麗で楽しめるでしょう」
隣に来て言ったジェーンに同調するように頷いた私に、彼女は嬉しそうに微笑んで、また目線を前へと戻した。
私はここからは見えない、生まれ育った町を思い浮かべた。この街とは正反対な静かな所だった。不満はなかった、今でも心から安心できる場所だと思っている。しかし、私はそこから逃げてきた。
感傷に浸る訳ではないし、ましてや嬉々とする訳でもない。
何故か、大事なものを失くしてしまったかのような喪失感が拭えないのだ。
本当に失くした訳でもないのに。もう二度と戻れない気がした。
周りをガラスの壁で囲まれている以外は何も遮るものがなく、周辺の景色が一望できるようになっていた。私は吸い込まれるように壁へと近づいて、そこから見える夜景に釘付けになった。
無数の光がどこまでも続いていて、地上では決して見られない、感じられない摩天楼の夜景。
慣れたつもりでいた街の、知らなかった姿を目の当たりにして、私は何も言えずにじっとそれらを眺めていた。
「ここはそれほど高くないし、大きなビルも周りにあるけど、私はここからの景色が好きなの。見下ろしても、見上げても綺麗で楽しめるでしょう」
隣に来て言ったジェーンに同調するように頷いた私に、彼女は嬉しそうに微笑んで、また目線を前へと戻した。
私はここからは見えない、生まれ育った町を思い浮かべた。この街とは正反対な静かな所だった。不満はなかった、今でも心から安心できる場所だと思っている。しかし、私はそこから逃げてきた。
感傷に浸る訳ではないし、ましてや嬉々とする訳でもない。
何故か、大事なものを失くしてしまったかのような喪失感が拭えないのだ。
本当に失くした訳でもないのに。もう二度と戻れない気がした。



