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今日は晴れない憂鬱な天気、学校へ向かう支度をする朝。
着替えを済まして、顔を洗いに洗面所へ。欠伸しながら鏡の方へ目を向けたら、私の物ではない、初めて見る腕時計が置かれていた。
「ん?……もしかして、レイのかしら」
そう言えば、レイが時計をしているのを見たことがない。毎回外していたのかな? だから、彼の時計を見たことがなかったのだ。
「次に来たときに渡してあげなきゃ」
時計を元の場所に置き、顔をすすいで歯磨きをする。
鏡に写る私は心なしかウキウキしていた。
彼と滅多に会えない訳ではないが、やっぱり会う口実が出来ると嬉しい。
後で彼にメールを送ろうか、どんな文章にしようか、絵文字を使おうか、シンプルに簡潔にまとめようか……。
自分でも単純だと思う。こんな人間だったのかと疑ったりもする。
でも、案外嫌いじゃない。
シャンプーや化粧品、メイクや服装にまで気を使うようになったり、買ってそのまま開く事がなかった料理本を手にする事が増え、ファッション雑誌も読むようになった。
レイといると、退屈だと思うことがなくなって、ほんの些細なありきたりな会話に声を出して笑って、くだらない理由で喧嘩もして、だけどいつの間にか仲直りをしてて。
嫌いじゃない、今の私は。
そう思わせてくれたのは、レイだ。
今日は晴れない憂鬱な天気、学校へ向かう支度をする朝。
着替えを済まして、顔を洗いに洗面所へ。欠伸しながら鏡の方へ目を向けたら、私の物ではない、初めて見る腕時計が置かれていた。
「ん?……もしかして、レイのかしら」
そう言えば、レイが時計をしているのを見たことがない。毎回外していたのかな? だから、彼の時計を見たことがなかったのだ。
「次に来たときに渡してあげなきゃ」
時計を元の場所に置き、顔をすすいで歯磨きをする。
鏡に写る私は心なしかウキウキしていた。
彼と滅多に会えない訳ではないが、やっぱり会う口実が出来ると嬉しい。
後で彼にメールを送ろうか、どんな文章にしようか、絵文字を使おうか、シンプルに簡潔にまとめようか……。
自分でも単純だと思う。こんな人間だったのかと疑ったりもする。
でも、案外嫌いじゃない。
シャンプーや化粧品、メイクや服装にまで気を使うようになったり、買ってそのまま開く事がなかった料理本を手にする事が増え、ファッション雑誌も読むようになった。
レイといると、退屈だと思うことがなくなって、ほんの些細なありきたりな会話に声を出して笑って、くだらない理由で喧嘩もして、だけどいつの間にか仲直りをしてて。
嫌いじゃない、今の私は。
そう思わせてくれたのは、レイだ。



