マフラーに首をすぼめて、やや小走りで通り慣れたアパートの門の中へ。そしてリズムよく階段を上がって…
「レイ…?どうして」
暖かい部屋で待ちくたびれているだろう彼を想像していたのに、レイはドアにもたれかかるようにして座り込んでいた。階段の途中で止まった私を見つけた彼は口角だけ上げて手招きする。
「レイ、ずっとここで待ってたの?」
手招きに応じて、彼の元へ近づき聞く。
「ずっとじゃない。窓の外で姿が見えてからだ」
私を見上げるレイが手を握った。確かにその手は温かくて、私の冷たい手に熱が伝わってくる。
「じゃあ、ずっと窓を見てたの?」
彼の手を握り返して聞く。私だけを見つめる瞳に、彼の熱に、頬が熱くなって寒さなんて忘れられた。
「…さぁ?」
綺麗な瞳は伏せられ、彼がゆっくり立ち上がる。
「おかえり」
不意に彼が顔を寄せて額にキスをする。驚きと胸のドキドキに何も言えないでいる私をレイは鼻で笑った。
「また俺に見惚れてるのか?その間抜けな顔は俺の前だけにしろよ」
「ま、間抜けな…!?そんな顔してないわ!」
「顔真っ赤にしてぽーっとしてたぞ」
「うっ、それは…レイの自惚れよ、きっと」
苦し紛れに言ったって、彼には嘘だとバレている。事実、私はレイに見惚れていた。今も、意地悪な顔で笑う彼に。
「可愛くないな、もっと素直になれ」
「…うるさいわよ」
「レイ…?どうして」
暖かい部屋で待ちくたびれているだろう彼を想像していたのに、レイはドアにもたれかかるようにして座り込んでいた。階段の途中で止まった私を見つけた彼は口角だけ上げて手招きする。
「レイ、ずっとここで待ってたの?」
手招きに応じて、彼の元へ近づき聞く。
「ずっとじゃない。窓の外で姿が見えてからだ」
私を見上げるレイが手を握った。確かにその手は温かくて、私の冷たい手に熱が伝わってくる。
「じゃあ、ずっと窓を見てたの?」
彼の手を握り返して聞く。私だけを見つめる瞳に、彼の熱に、頬が熱くなって寒さなんて忘れられた。
「…さぁ?」
綺麗な瞳は伏せられ、彼がゆっくり立ち上がる。
「おかえり」
不意に彼が顔を寄せて額にキスをする。驚きと胸のドキドキに何も言えないでいる私をレイは鼻で笑った。
「また俺に見惚れてるのか?その間抜けな顔は俺の前だけにしろよ」
「ま、間抜けな…!?そんな顔してないわ!」
「顔真っ赤にしてぽーっとしてたぞ」
「うっ、それは…レイの自惚れよ、きっと」
苦し紛れに言ったって、彼には嘘だとバレている。事実、私はレイに見惚れていた。今も、意地悪な顔で笑う彼に。
「可愛くないな、もっと素直になれ」
「…うるさいわよ」



