地下鉄から外へ出て、足早にお店へと向かう私に、冬の風は容赦ない。
帰ったらまずこの凍りついた体を温めてもらわなきゃ。
マフラーを巻き直して歩く。4ブロック程行った所で角を曲がってすぐの所にリリーズ・カップケーキがある。
黄色い外観、店の中の黒板やブランコになっている席が学校を思わせる。
ショーケースにはカラフルなカップケーキがたくさん並べられていた。その種類ごとにポストカードがあって、そこに名前やカップケーキの紹介が可愛らしいキャラクターと一緒に手描きで書かれている。
店内は思ったよりも空いていて、ほとんど並ばずに注文の順番がまわってきた。どれも美味しそうで迷った私は店員のお姉さんにどれがお薦めかを聞く。
バターケーキやクリームブリュレ、チョコチップにオレオクッキー、レッドベルベット、バニラ…これら以外に、フレーバーやトッピングを自分で選べるらしいが、とりあえず薦められたカップケーキを買った。
また今度来たときにトッピングを選ぼう。そのときはレイと一緒に来たい、なんて自然と思ってため息をつく。以前だったら、思い浮かぶのはトムだったのだろうと自分の薄情さが嫌になる。
店を出て、来た道を戻る。
私が戻る場所にはレイが待っている。
電車に乗る前、携帯に着信が入った。表示された名前を見ただけで、私の心が舞い上がる。
「もしもし?」
『カップケーキはまだ?』
その怒った声が小さな子供みたいで笑った私に、レイは『なんだよ』と少し恥ずかしげ。
「もうすぐ帰るわ」
『ん、早くな』
帰ったらまずこの凍りついた体を温めてもらわなきゃ。
マフラーを巻き直して歩く。4ブロック程行った所で角を曲がってすぐの所にリリーズ・カップケーキがある。
黄色い外観、店の中の黒板やブランコになっている席が学校を思わせる。
ショーケースにはカラフルなカップケーキがたくさん並べられていた。その種類ごとにポストカードがあって、そこに名前やカップケーキの紹介が可愛らしいキャラクターと一緒に手描きで書かれている。
店内は思ったよりも空いていて、ほとんど並ばずに注文の順番がまわってきた。どれも美味しそうで迷った私は店員のお姉さんにどれがお薦めかを聞く。
バターケーキやクリームブリュレ、チョコチップにオレオクッキー、レッドベルベット、バニラ…これら以外に、フレーバーやトッピングを自分で選べるらしいが、とりあえず薦められたカップケーキを買った。
また今度来たときにトッピングを選ぼう。そのときはレイと一緒に来たい、なんて自然と思ってため息をつく。以前だったら、思い浮かぶのはトムだったのだろうと自分の薄情さが嫌になる。
店を出て、来た道を戻る。
私が戻る場所にはレイが待っている。
電車に乗る前、携帯に着信が入った。表示された名前を見ただけで、私の心が舞い上がる。
「もしもし?」
『カップケーキはまだ?』
その怒った声が小さな子供みたいで笑った私に、レイは『なんだよ』と少し恥ずかしげ。
「もうすぐ帰るわ」
『ん、早くな』



