バキッ
ドコォッ
俺は地べたに転がり踞るそいつを蔑んだ目で見る。
「オラ、立てよ。」
そう言って、胸ぐらを掴み立たせる。
そいつの覚束ない足は限界を諭す。
「チッ」
舌打ちをし、路地のビルの壁に胸ぐらをつかんだまま、そいつを叩きつける。
そいつの血で染まった拳を
再び、握り締める。
振り上げようとすると、
「っ、や、やめてくれ」
やっと、口にしたように呟く。
「お、俺が悪かった………っっ。謝るから………許して、くれ………」
悪かっただ?
許してくれだ?
「そうしたら、返してくれんのかよ。
俺の親はお前に殺されたんだ。
そんなに簡単に許せるわけねえだろ!!」
俺が、親と仲違いをし、夜も遊びに行って帰りもしなかったあの頃。
俺がいたら
俺がいたら
逃げられたかもしれないのに
家は全焼し、俺の親も死んだ。
こいつが、放火した、その家だ


