「これがあたしの素。ほんとめんどくさい。散々考えたけどわかんねーっつの。……引いた?」


ちらりと関谷を見たら、関谷はブンブンと大袈裟に首を横に振った。


「全っ然。むしろ、なんか嬉しいです、俺に見せてくれて」


関谷は白い歯を見せて笑った。「ちょっと驚きましたけど、愛子さんの知らないとこ見れて光栄です!」なんて言うもんだからあたしも笑ってしまった。


「関谷がそう言ってくれる男でよかったよ。きっといい奥さん見つかるよ」

「その奥さんは、紛れもなく愛子さ…………」

「わかったわかった。あんたの暴走はひとまず置いといて」

「愛子さん、俺のあしらい方も雑になった気がします……」

「ていうかさ、ちょっと協力してほしいことがあるんだけど」

「全然いいですよ。愛子さんのためならたとえ火の中水の中…………」

「そいつ、あたしと仲いいくらいだから、他の女子ともすごい仲がいいんだよね。そんで、けっこう来る者拒まずだから、毎週のように女の子と出かけてるって話聞いてさ」

「愛子さん、無視はさすがにひどいですよ……。で、どうするんですか?」

「一緒に来てほしいの。あたし一人だと怪しまれる可能性もあるから」

「…………どういうことですか?」

「とりあえず、結論は確かめてみてから」


あたしはスマホを取り出してLINEの画面を出した。


さて、どうしようか。