さあ、好きになりましょうか。

「……ねえ、関谷」

「なんですか」

「痛いから……腕、離して」


あたしが言うと、我に返ったようにはっとした関谷は「ご、ごめんなさい!」と大声を出してあたしから離れた。


顔を真っ赤にさせて口元を手で押さえている関谷を見て、可愛いと思った。


「あれー、普段あんなことをしている関谷くんは、実はかなりピュアだったのかなー?」


あたしがニヤニヤしながら関谷の頭を撫でると、関谷はあたしを見上げて口を開いた。


「う、うるさいなあ! 俺だって必死なんだから仕方ねーだろ!」

「お前……相手年上なんだけど」

「俺…………いつもはこんなことしませんよ。でも、今回ばかりは愛子さんを奪われたくないです。愛子さんの話を聞いただけですけど、なんかそいつ嫌です」

「会ったことないくせに」

「野生の勘ってやつですよ。俺、意外に鋭いんです」

「野生の勘って、関谷はなんか犬っぽいけどね」

「ちょっとひどいですよ。せめて狼くらいにしてください」

「犬って、褒めたんだけど」

「えっ、まじっすか」


関谷の反応に思わず笑ってしまう。


その笑いが収まった後、あたしはじっと関谷を見つめた。