男の人に抱きしめられて恐怖を感じなかったのは久々だった。


「いきなりごめん。...普通は初対面でこうゆうのって有り得ないのか?」


彼が心配な口調で聞いてきた。



「大体、お前に彼氏がいるかも聞いてなかったよな...」


彼氏...。

その言葉にいい思い出はない。


「私に彼氏なんていませんよ。...いるはずがないですから...」


小声で呟いた。