結局、お互いに譲らなくて平行線のまま別れた。

私は家に帰ると携帯をずっと見ていた。


見ていたのは携帯の画面。


尚樹の番号が写し出された画面。


思い切って電話してみようかとも思ったけど


彼女といたらって考えると無理だった。



「…ッ…」



尚樹への気持ちを否定されて悔しかった。


ずっと尚樹だけ見てきたのに否定されて悔しかった。


それはまるで


今までの私を否定されてるみたいな気分になった。


24年生きてきた中で半分は尚樹だけを見てきた。


だから


尚樹への気持ちを否定することは


私を否定することと同じだと思った。


そんな人を好きになるなんて


無理なことだ。


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