パラッ。

「……」

パラパラッ。

「……」

真っ正面に視線を感じる。
目の前の男が痛い位見てくる。

「……」

本を読みながら目の前にいる男を鬱陶しく感じる私、弥生サキは、気まずい短い休み時間を過ごしていた。
目の前にはこの中学校に転校してきた、卯月タケルがいた。
顔が良くて爽やかでバカでアホ。
煩くて口が達者、そして、女誑し(オンナタラシ)。
私の理想の苦手な人だ。

「……」

パラッ。

「……」

ジーッとこちらを見てくる卯月タケル。
鬱陶しい。

「……なんだ。」

仕方なしに私から口を開いた。

「おお!やっと話してくれた!」

さも嬉しそうに話す卯月タケル。




私達の恋花火が咲くまで、後、三ヶ月と二週間。