それで、肝心の俺の王子様は、というと....
「ハロー谷田~♪わぁ、かわいい....」
ビックリして
言葉を失う先輩もまた、
度肝を抜かれるイケメンとなって現れた。
180㎝はあろうかという長身。
今回は黒のスーツに身を包んでいた。
髪を金髪に染めて、
ターコイズブルーの瞳を湛えた先輩。
顎で切り揃えた長髪、
少し瞳にかかる前髪は、
全く不潔な印象を与えない。
血筋柄、エキゾチックな雰囲気。
ミステリアスかつ、
漂う色気から目が離せない。
私は先輩を凝視した。
「せっ先輩.....!」
私が呆気に取られて口をあんぐり開けていると、
「ちょっと!なに二人とも、同じ顔して驚いてんですか!」
パンッと洋平が手を叩いた。
「二人には俺の修学旅行がかかってんですからね~!しっかり頼みますよー!」
「あぁ、そうだった....そろそろ時間だ。真尋行こうぜ。......違うな。」
朱雀先輩はニヤリと笑うと、一歩後ずさって、お辞儀をした。
そして胸に左手を当てて私に右手を差し出し、言った。
「真尋お嬢さま。時間がございません。さあ、私の手を御取りになって下さい。会場へ参りましょう」
洗練された一連の動作に
その場のみんなが釘付けになった。
え?なにこれ、
私、先輩の手をとらないといけないのね。
恥ずかしいやら照れるやら。
絶対、今私の顔真っ赤だっ!
私は白い手袋に包まれた先輩の手に
自分の手をそっと重ねた。
「さぁ、参りましょう。お嬢!」
ワァーーーっと、拍手が巻き起こる。
....なんの拍手だよ。
まったく、
しょーもない演出するんだから...
私たちはランウェイの裏へと向かった。