「消毒……?」
「そ。消毒」
「どこも怪我なんてしてないよ?」
大翔君が言った消毒の意味がわからなくて、そのまま聞き返す。
「何も感じてないのは、まりやらしいけど。
……もっと危機感持ってくれないと、俺の心臓いくつあっても足りない」
麻生先輩に掴まれた左手にまた、大翔君のキスがひとつ落ちてくる。
ビックリして手を引っ込めようとするけど、大翔君の力に抵抗できるわけもなく……。
「必要以上にあの先輩に関わらないこと。
俺がいないところで話しかけられても、無視していいから」
これって、心配してくれてる、んだよね?
私も大翔君には心配かけたくない。
それに、よく知らない先輩だし、学年違うから会うことなんてきっと少ないよね。
「うん。わかった」
私の返事に頷いてくれた大翔君。

