溺愛王子とヒミツな同居2




「朝飯の準備してくれたんだな。サンキュ」



洗面所から戻ってきた大翔君は、テーブルの上に並ぶ朝食を見て椅子に座る。



「今日は、早く起きたから」



「もしかして、俺の目覚ましのアラームの時間ずらしたのって……」



さすが大翔君。



私がやったことはお見通しなようで、申し訳ない気持ちで手をそっと上げる。



「マジで焦った。

お前の弁当も作ってないし、今日は購買で何か買うか」



手を合わせて朝食を食べ始める大翔君。



お弁当を作ること、いくら秘密にしたかったとはいえ……



やっぱり、目覚ましの時間をずらすのはやり過ぎだったかなと、反省する。



「どうした? 食欲ないのか?」



シュンと肩を落とす私に気付いた大翔君は、心配そうに尋ねてくる。



慌てて首を横に振ると、ブルーの巾着型の袋に入ったお弁当箱をテーブルの上に静かに置いた。