「もっと味わって食べればいいのに。
ここ、生クリームついてるぞ」
ここ、とまりやに向かって、自分の右側の口端を指差す俺。
それをマネするようにまりやも自分の口元に指を添えるけど、いまいちその場所がずれていて、上手く取れないでいる。
「ちょっとじっとしてて」
顔を近付けて、右手の人差し指でまりやの口端についていた生クリームを拭ってやる。
「ありがとう、大翔君」
照れながらお礼を言うまりやに「どういたしまして」と返した。
「あ……」
「ん? どうした?」
俺の肩越しに何かを見つけたらしいまりやが小さく声をあげた。
振り返った俺は、まりやが指差す方に目を向ける。
なんだ……?
不思議に思いながら目を動かすと、公園の反対側……道路を挟んだ歩道に見慣れた奴の姿を捉える。

