溺愛王子とヒミツな同居2




こんなこと素直に言う必要なんてないのに、気付けば私の口からは、こんな言葉が飛び出ていた。



「見惚れてたってこと?」



コクンと小さく頷くと、クスクスと笑う声が聞こえてきた。



呆れてるんじゃないかって思ってたけど、私を膝の上に乗せたままの大翔君は、そのまま抱きしめてきた。



「お前らしいよ。

まりやが覚えるまで、こうして朝からお前に近付く口実ができて、俺は嬉しいけどな」



一気に耳まで熱くなった私を大翔君は、膝の上からそっと降ろすと、洗面所へと消えていった。



ドキドキと大翔君に反応する高鳴る鼓動が大きすぎて、落ち着かせるように息を吐く。



しばらくはソファから動けなくて、大翔君が戻ってくるまでの間に落ち着くようにと、何度も深呼吸を繰り返した。