何だろうと思っていると、大翔君が私を鏡の前に立たせる。
「ちょっとじっとしてろよ」
「うん?」
私の後ろに立って、下ろしてる髪を両サイドにわけると、シャラ……っと小さな音をさせながら、ひんやりとした感触が私の首元を襲う。
それにビクっとして肩を動かすと、大翔君が後ろで笑ったのがわかった。
「もういいよ」
何をしていたんだろうと、鏡越しに大翔君の姿を見てみると、彼の姿よりも先に私の首元に可愛らしく光を放つ花の形をしたネックレスが目に留まる。
「これ……可愛いっ」
「やっぱり似合ってるな。
お前が好きそうだと思って」
「えっ? なんで……」
「今日の記念にな。
そんな高いものじゃないけど、見た瞬間にまりやに似合うと思ってさ」
言われて改めて胸元を見下ろす。
記念……。
もしかして、これってプレゼント……?
そう思ったら、余計に受け取れなくて、首を横に振る。

