溺愛王子とヒミツな同居2




「演じてる奴は違うのに、何となく自分たちに重ねて見えるもんだな。不思議と」



大翔君も私と同じことを思ってくれたみたいで、嬉しかった。



映画を観終えると、ちょうどいい時間でお昼をとることにした。



映画館のすぐ近くにあるハンバーグ屋さんで軽くお昼を食べて、その後は2人でぶらぶらと買い物へ。



「ほんとにどこか行きたいとこないのか?」



「うん、いいの。

大翔君と一緒ならどこでも楽しいから」



次の行き先を聞かれた時に「買い物に行こう」と言った私に、さっきからずっとこの調子。



2人きりの初めてのデートだから、いろいろと考えたけど私が行きたいところ、したいことは大翔君と一緒なら何でもよかった。



家でも一緒にいるから、少しは違うことって思うかもしれないけど、一緒にいて楽しければ場所なんてどこでもいい。



ちゃんと行き先を決めてっていうデートも楽しいけど、こうして出かける先を決めながら進めるデートも新鮮で楽しい。



「あ、このお店ちょっと見てもいい?」



髪飾りやアクセサリーなどの小物を扱う可愛らしいお店が目に飛び込んできた。



立ち止まって聞く私に大翔君は「いいよ」と短く答えて、一緒にお店の中へ。