私が観たかった映画は、高校生の恋愛を描いた物語で、学校一モテる男の子とその子のことが大嫌いな女の子が織りなすラブコメ要素たっぷりの恋愛映画。
2人はひょんなことから一緒に生活することになり、反発しあいながらも一緒に暮らすことで、お互いのことを意識しはじめていく。
そんな設定に、自分たちのことを少し重ねてしまい、この2人がどんな恋愛模様を描いていくのか、とても興味があった。
他人と一緒に住むということは、そんな簡単なことじゃない。
育ってきた環境が違えば、当然生活態度も違うわけで。
いいところ、嫌なところ全てが見えてくる。
ハプニングだって起こるし、困った時はお互い様で助け合う。
物語を通して、大翔君と過ごしてきた2ヶ月のことを思い出しては、何度か泣いてしまった。
上映が終わった今も、グスッと鼻を啜りながら、ハンカチで目元を拭う。
「ごめんね……。
感情移入して泣いちゃって……っ」
ロビーを行き交う人たちが、泣いてる私を見てるのが痛いくらいわかるけど、涙が止まらない。
「結構面白かったな。
恋愛映画ってあんまり興味なかったけど、まりやが観たくなった気持ち……何となくだけどわかった」
大翔君からの意外な言葉に、今の今までポロポロ出てきてた涙が急に引っ込んだ気がした。
私に合わせて無理して言ってるんじゃないかと思ったけど、そんな心配はしなくてよかったみたい。

