「……えっ?」
「いつもと雰囲気が違うし、こんなまりやを見たのは初めてだったから……誰にも見せたくないって……。
そう思ったら、無意識に思ってたことと違うことが口から出たっつーか」
目を左右に動かして、言い辛そうに私に本当の気持ちを教えてくれた。
大翔君のその気持ちに、私まで何だか恥ずかしくなって赤くなる。
「その格好も見せたくねーけど、それよりも」
その続きを聞きたくて、目の前にいる大翔君を見上げると、私の耳元に唇を寄せる。
「そういう顔を俺以外の奴の前で見せるのは、ダメだから」
自分が今どんな顔してるのかなんてわからないけど、とりあえずコクンと頷く。
掴まれたままだった手をしっかりと大翔君が繋ぎ直してくれて、指を絡める。
それを合図に、2人だけの初めてのデートに出掛けることになった。

