「だから、なんで着替える必要あるの?
そのままでいいだろ」
「え……っ? だって、私には似合わない……から……」
自分で口に出すと、余計に惨めな気持ちになる。
早くこの場を逃げ出して、着替えに行きたいのに、大翔君が手を掴んだままだから身動きが取れない。
「似合わないなんて、一言も言ってないけど」
「でも……っ。さっきは……」
言葉を詰まらせる私に、何を考えてるのかわかった大翔君は「あー……」と小さく声を漏らす。
思わず見ると、困った顔や少し照れた表情を浮かべていた。
どうしてそんな顔してるのかわからない私は、不思議に思って首を傾げる。
「だから……っ。
似合いすぎて……なんて言っていいかわかんなくなったんだよ」

