栞に白い目を向けられて、慌ててコクコク頷くと先に歩き出す。
「じゃ、じゃあ2人とも! 明日楽しんできてね!」
「あ、コラッ! ヒカりん先に行くなー!!
ったく……。それじゃ、明日楽しんで行ってきなよ!」
栞も小走りで帰っていき、返事を返す暇もなくあっという間に姿が見えなくなった。
「忙しい奴らだな……。俺たちも帰るか」
そう言って、さりげなく私が持っていた荷物を持ってくれる大翔君。
「あ、自分で持つよ」
「こういうのは男の役目だって、前にも言ったろ?
素直に甘えとけ」
ポンポンと頭を優しく叩いて、私の横を通り過ぎていく。
大翔君が触れた部分に手をやって、赤くなりながら振り向くと優しく微笑んで立ち止まっていた。
「まりや、置いてくぞ」
空いてる方の手を差し出して、私を待っていてくれる。

