溺愛王子とヒミツな同居2




栞に白い目を向けられて、慌ててコクコク頷くと先に歩き出す。



「じゃ、じゃあ2人とも! 明日楽しんできてね!」



「あ、コラッ! ヒカりん先に行くなー!!

ったく……。それじゃ、明日楽しんで行ってきなよ!」



栞も小走りで帰っていき、返事を返す暇もなくあっという間に姿が見えなくなった。



「忙しい奴らだな……。俺たちも帰るか」



そう言って、さりげなく私が持っていた荷物を持ってくれる大翔君。



「あ、自分で持つよ」



「こういうのは男の役目だって、前にも言ったろ?

素直に甘えとけ」



ポンポンと頭を優しく叩いて、私の横を通り過ぎていく。



大翔君が触れた部分に手をやって、赤くなりながら振り向くと優しく微笑んで立ち止まっていた。



「まりや、置いてくぞ」



空いてる方の手を差し出して、私を待っていてくれる。