しっかりと私の体を支えてくれる力強い腕。



見上げると、大翔君が片手だけで私の体を支えてくれていた。



「いやぁ、ごめんごめん。

興奮しちゃってさ、つい力が入り過ぎたんだよね」



あははは! と元気よく笑う栞に、呆れた溜め息を大翔君がつく。



「米倉と違ってまりやは逞しいわけじゃないんだから。

こいつが怪我するようなことだけは、冗談でもマジでやめろ」



「ハイハイ。

大事なハニーですものね~ダンナさん!」



「誰がダンナだ……。

恥ずかしくなるようなこと言うんじゃねーよ」



からかってくる栞を軽く睨みながら、私の体を支えたままちゃんと起こしてくれた。



「あ、ありがとう、大翔君」



「遅くなるだろうと思って迎えに来た」



まだ8時前なのに、心配して来てくれたんだとわかって嬉しくなる。