「……っ! ダメ……っ!!」
突然大きな声を出したと思ったら、俺の体を押してまりやが起き上がった。
その態度に呆然とする俺。
喜んでくれるのを期待して言ったのに、まさか“ダメ”なんてハッキリとこんな大きい声で断られるなんて。
まったく思いもしなかった俺は、ショックだった。
「……悪い。突然すぎた、よな……」
何とか声を絞りだしてみたけど、こんな言葉くらいしか出てこなかった。
それ以上は何も言えずに、ソファに座ったまま身動きできなかった俺を、まりやが困ったように見上げてきた。
「ち、違うの……っ。
あの……だからね……い、今のはなしで……!」
「は……?」
顔の前で両手を合わせてお願いしてくるまりやだけど、
どうしてお願いされてるのか、まったくわかってない俺は、その場で固まった。

